(1) 1分で読める教養としての映画 -映画の始まりとサイレント映画時代-

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1,映画の始まりとサイレント映画時代

世界初の映画

映画の始まりは1895年12月28日、リュミエール兄弟による「ラ・シオタ駅への列車の到着」の上映です。この映画は公開されたものとしては世界初であり、映画史の幕開けを告げる象徴的瞬間でした。

「ラ・シオタ駅への列車の到着」は、フランスのラ・シオタ駅に到着する列車を捉えたもので、フ非常にシンプルな内容の短編ドキュメンタリーでした。映画の尺はわずか50秒ほどですが、当時としては革新的でリアルな映像だったため観客の中には恐怖を感じて逃げ出したという逸話が残っています。

ラ・シオタ駅への列車の到着
「ラ・シオタ駅への列車の到着」

初期の映画はサイレント(無声映画)であり、最初の約40年間はフィルムに音をつける技術がなかったため、映画はスクリーンの横で演奏される音楽と共に楽しまれていました。

サイレント映画時代の映画製作者たちは、視聴者の注意を引きつけ物語を効果的に伝えるために、表現力豊かなジェスチャー、表情、そして物語の構造を巧みに利用しました。たとえば、チャーリー・チャップリンバスター・キートンの作品では、表情やジェスチャーが、言葉を超えたコミュニケーション手段として機能し、コメディや悲劇を表現していました。

「キッド」(チャーリー・チャップリン)

重要な作品とその影響

  • 「ラ・シオタ駅への列車の到着」(リュミエール兄弟): 映画技術の可能性を世界に示し、映画が単なる一過性の出来事ではなく、一つの芸術形式および娯楽メディアとしての地位を確立しました。
  • 「キッド」(チャーリー・チャップリン): 1921年に公開されたこの作品は、チャーリー・チャップリンが監督・主演を務め、彼の映画作品中でも特に心温まる物語として知られています。チャープリンの創造したキャラクター「放浪者」の人間味あふれる演技は、喜びと悲しみを無声で伝える力を持っており、サイレント映画の表現力の広がりを示しました。

押さえておきたいポイント(一言メモ)

  • 映画の原点: リュミエール兄弟の「ラ・シオタ駅への列車の到着」が映画史の始まり
  • 時代: 最初の約40年間は音声をのせる技術がなかったため、サイレント映画だった
  • 感情伝達: 表情や動作だけで豊かな感情を伝えるので、大げさな演技やわかりやすい表情が重要視されていた
  • 技術革新: 初期の制約が創造性と映画技術の発展を促した
  • チャープリンとキートン: サイレント映画の可能性を拡張した二大巨匠

サイレント映画時代のまとめ

1895年、映画の歴史はリュミエール兄弟のラ・シオタ駅への列車の到着によって始まりました。この時代の映画はサイレントであり、観客にストーリーを伝えるためにジェスチャーや表情が重要でした。

チャーリー・チャップリンやバスター・キートンなどの監督・俳優は、言葉に頼らないコミュニケーションの可能性を探求しました。映画が視覚的な芸術としてどれだけ強力なメッセージを伝えうるかを示し、後の映画製作に多大な影響を与えました。

この時代の映画は、技術的な制約の中で創造性がいかに花開くかを示す例として、またコミュニケーションの基本的な要素を理解する上で、今日においても価値ある教訓を提供しています。サイレント映画時代は、映画製作の基礎が築かれた重要な時期であり、現代の映画製作においてもその教訓は有効です。

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